仕事と家庭の両立に疲れた　40代女性　Aさん　―　小貫淳子　―

Aさんは「仕事と家庭の両立に疲れた」とご相談にいらっしゃいました。

お話を伺うと「女性も働 いて稼がなければならない」という思いがでてきました。中学生の頃に両親が離婚し、母親と暮らすことになったAさん。「夫の収入をあてにしてはいけない。 女性も自分で暮らせるだけ稼いでおけるように」と母親から幾度となく言われていたことが大きく影響していました。

このケースでは、数回の セッションが必要でした。父親という精神的・金銭的サポートを突然失ったショック、安心感の喪失などが主なテーマとなりました。またAさんの母親も幼少の 頃に父親を失っているため、その母親（Aさんの祖母）から「女性も手に職を持っていなさい」と同じように言われていたため、母親と祖母の思いや苦しみに取 り組むセッションもありました。

やがてAさんは自分が真に望んでいるのは夫と平和で楽しい家庭を築くことだと気づきました。収入がなくなる 恐怖感を手放したため、自分のできるペースで仕事を進めることができるようになりました。また家事についても、進んでご主人のお手伝いをうけることにしま した。「夫に家事を手伝ってもらってはいけない」と母親から教えられていたため、それまでご主人が手伝ってくれても断っていたり、罪悪感に苦しんでいたの です。この思い込みの解放にもマトリックス・リインプリンティングが役に立ちました。

「共働きが普通になって、女性のワークライフバランスの大切さについて語られることも多いですけれど、本当の問題は自分のなかにあるんですね。」とAさんはおっしゃっています。今は仕事も家庭も楽しんでいるそうです。