自分の仕事を控え、母の介護を第一優先にしてきたKさんですが、ある日、念願だった大きな仕事のオファーが来 ました!「ぜひ、引き受けたい!」そんな気持に強いブレーキがかかります。いつも、気持ちと裏腹のことをしてしまうKさん。今回もチャンスを逃してしまう のでしょうか・・暗澹たる気持ちになっています。

その「迷い」はどこからきているのでしょうか?

Kさんにお聞きしてみたとこ ろ、たぶん出所は、母親の育て方ではないかということ。母は、猜疑心たっぷりに「他人を信用してはいけない」と言いながら、他人に尽くすことを要求し、ま た、「嘘をついてはいけない」と言いつつ「嘘の多い人」でした。そんな矛盾の多い母に育てられたためか、Kさんは人の心をキャッチできずに生きてきまし た。

思い出したのは、3歳の時のシーンです。スイッチの入った熱いアイロンに手を触れ、大泣きしているKさん。「そんなことをしたら死ぬわよ」と半狂乱になって、彼女の頬を叩く母。熱い、痛い、恐ろしい、寂しい・・・崖から突き落とされたような真っ黒な気持ち。マトリックス・リインプリンティングを始めましたが、最初は「母親」を想像するだけで胸が苦しくなるということでした。そこでまず、苦境で育った母親の記憶を子供らしい伸び伸びとした記憶に書き換えることにしました。Kさんは、母親を癒し、自らも癒すことを繰り返しながら、親子の信頼関係の溝を埋め、自分を大切にすることを学びはじめました。

その後届いた感想には、

 

「まず、母の心を軽くしてあげられたこと、親孝行できたことが、本当に嬉しいです。これからも、意欲的に母親との問題を見つめていきます。そして、自分の心を開放して自己愛も高めていきたいです」

と書かれていました。

Kさんのお母様への愛と優しい気持ちが感じられるお手紙でした。仕事を受けるかどうかといったことよりも、もっと深いところに大切なヒントがあったようです。自己愛を育むことについて、深く考えさせられるセッションでした。

セラピスト情報

氏名:青木理恵
※現在、マトリックス・リインプリンティング・ジャパンには登録しておりません