もう何年も摂食障害に悩んでいるというAさん。

まずは、食べたいという衝動が一番高まった場面を思い出してもらいます。
その記憶のエコー(当時の自分)に話しを聞くと
「とにかく食べたい、無性に食べたい!」…猛烈に食べたい!と焦っている様子です。
ところがその思いにタッピングを続けるとどうでしょう。
「本当は食べたくない、悲しい」という気持ちに変わってきたんですね。
丁寧にタッピングを繰り返し、エコー(当時のAさん)に過去の記憶に連れて行ってもらいます。

そこは、子供の頃、家で家族とご飯を食べている記憶でした。
家族全員で、お母さんが作った料理をまずいと非難しています。
そしてお母さんのうつむいた淋しそうな顔ー。
幼少のAちゃんは、料理を本当はおいしいと思ったそうですが、
反対のことを言うと家族ではいられないように感じ、話を合わせてしまったそうです。

Aちゃんに十分にタッピングを繰り返し、
感情のレベルが下がったところで、新しいポジティブな体験は何をしたいか尋ねてみました。
そしてお母さんに本当はお料理が美味しいと思ったことを伝えます。
幼少のAちゃんはこう言います。
「お母さんはいつも1人、だからお母さんの闇が消えてほしい」
お母さんにも十分にタッピングをして、お母さんの悲しい気持ちを解放しました。
本当の気持ちを伝えられ、お母さんの感情が癒されると、Aちゃんはとても落ち着いてきました。

そしてAちゃんはお母さんに幸せかどうか尋ねます。
お母さんはニコニコしながら、「お母さんは1人じゃないよ、Aちゃん達がいるからね。こんなに小さな体で…(心配してくれて)ありがとう。」と言ってくれました。
その後場面は勝手にすすみ、お母さんと学校の卒業式で一緒に歩いている場面へと変化していきました。
ニコニコして幸せそうなお母さんー
。そしてつないだ手の温かさー。
幼少のAちゃんは、お母さんは1人ではないことを実感します。

このセッションによって、Aさんは幸せと食べ物が強くリンクしていたことに気がつきました。
美味しい料理を作ることと、それを友人や家族と楽しむことに強迫的なこだわりがあったのだそうです。

そして、セッションの後「1人だと思っていたのは自分のことかもしれない。」と教えてくださいました。
お母さんもAさんももう1人ではないことを実感したAさん、より一層、美味しいお料理と、ご家族との時間を楽しんでほしいと思います。

セラピスト情報

氏名:湯浅 和花
※現在、マトリックス・リインプリンティング・ジャパンには登録しておりません