Bさんは、職場でリーダーを務めていらっしゃいますが、第一線と言われる部署のリーダーは任せてもらえないことに対して「私が役に立たない人間だからだ」という思いを抱いていらっしゃいました。

お話を伺って行くと、第一線の部署のリーダーを任されたいという気持ちはあるものの、実際にリーダーになることに対しては、「私は判断が遅いから素早い判断ができない」、「間違えたらどうしよう、失敗したらどうしよう」という不安を抱えていらっしゃることが見えて来ました。

間違えたらどうなりそうか、一番起きたら嫌なことは何かを伺うと、「人から責められる」ということでした。
人から責められる場面をイメージしていただくと、恐怖と、ぎゅーっと身体が強張る感じが出て来たため、そこからセラピーに入りました。
その身体が強張る感じを感じながら、相手が何と言って責めている感じがするかを伺うと、たくさんの男の人に責められているような感じがするとのこと。

そして、チベットのような場所で、僧侶のような服を着ている男性が、一緒に瞑想している仲間から責められている場面が現れました。Bさんは、その責められている男性を自分だと感じるとのことでした。
責められている男性は、大勢の仲間の僧侶から「お前は間違っている」「進歩が無い」「分かってない」などと責められ、袋叩きに遭っていました。

そして男性は、「こんなに一生懸命にやっているのに自分には何も分からない。自分には何の価値も無い。」と感じて、死んでしまおうかと絶望していました。
MRで男性の絶望感、諦めなどを解放して行きました。

すると、うなだれていた男性が真っ直ぐに立ち、光の中で、「私は私の生きる道へ向かって進んで行こう」と迷いなく覚悟したイメージに変わりました。そして、責めていた僧侶たちにも、「もう君たちの好きなようにはさせない、私は私だ。」と、毅然と力強く伝え、大きな解放感を感じられました。

そして男性は、現在のBさんに「一緒に居るよ」と伝えたそうです。
Bさんは、これから男性と一緒に歩いて行く感じ、お互いに守られている深い安心感を感じられていました。
その安心感を焼き付けて、セラピーを終了しました。

セッション終了後、失敗して責められる場面をイメージしていただくと、相手に「ちょっと待って」と言えそうな、力強い感覚を感じられるとのことでした。また、判断を求められた時は「ちゃんと見たら分かるから」、「私のペースがあるの」と言えそうとのことでした。
後日Bさんから、「責められるような状況になっても、自分が守られている感覚、安心感を感じられる。そして、相手に何も言えなかったのが言えるようになってきた。」とのご感想をいただきました。