Sさんは、仕事と子育てを頑張り体調を壊し、薬を使わないと眠れない状態が何年も続いていました。自分の人生を振り返ると、寂しさと無力感に打ちひしがれてしまいます。

そ して気が付けば、いつも周りの様子を覗って周りに合わせてきたために、自分の意見が分からない。人とお茶を飲んでいるときも、ずーと人の話を聞いてあげ、 機嫌を取っている自分がいて疲れる。自分のやりたいことをやろうと思ってカラオケも始めたけど、同じパターンの人間関係しか作れずに、余計に疲れるので止 めた。とのことでした。

トークセラピーとフォーカシングで、相手の顔色を覗って、周りに合わせてしまう習慣の裏に、どのような恐れが隠れているのか、また、そこに繋がる体験を探しました。

S さんが5~6歳の頃、母親の実家に徒歩で山越えをして帰る途中の情景が出てきました。日が暮れ、山道は、雲の間から月が顔を出した時だけかすかに見える程 の暗闇に包まれました。当時20代の母親の背には妹がおんぶされており、手には荷物を持っていた為、Sさんは手を引いてもらえない状態でした。母親は、子 供の足では小走りにならないとついてゆけない程の速度で歩き始め、Sさんに、「速く来ないと置いていく、怖いものが来て食われるぞ。」と脅し、急がせたそ うです。

この体験をマトリックスで再体験した時、「捨てられる恐怖」を感じ、当時5~6歳のSさんが、親の欲求を満たすことによってしか生き残れないと思い込んだとしても無理もないと納得したそうです。

書 き換えには、奇想天外な発想(空飛ぶ船)を持ってきて、子供にとって楽しい思い出になるように提案してみました。目的地が設定された空船に乗って、月や星 の光を存分に感じてもらっているうちに、親子の心は和み、当時20代の母もとても怖かったから、必死の行動だったのだと納得できたようです。

その後Sさんは、自分の心の声を大切にして自分の行動を決めるようにしたところ、自然と言いたいことが口をついて出ており、周囲の環境まで変わっていくことを体験しています。

Yさんは、大学卒業後、事務の仕事や色々な仕事を短期間した後、思い立って専門学校に通い始めました。が、そこも、体調不良や、失敗が怖いとか色々な思いが出てきて、途中で行けなくなってしまいました。

Y さんは、家庭でも仕事に関しても努力家で、経済的に家族にゆとりのある生活を提供してくれ、地域においても人々から信頼され、友人には金持ちが多い、父親 をとても尊敬していていました。そして、、自分も立派になって、ひとかどの人になって、皆に認められるようにならなくてはならないと、焦っていました。

一方、小さい頃からのYさんについてのお話を聞くと、夢想が好きで、創作童話を書いて何度か賞を取ったり、大学で書いた環境分野の卒論が、学校始まって以来、一番良い出来だと褒められたことなどが思い出されました。
そして、実は自分は書くことが好きで、今の専門学校は父親を満足させるために通い始めたことに気がつきました。

また、出版社に勤めてひどい失敗をしたことがいつまでも忘れられず、自分を書くことから遠ざけていることに気が付き、この体験に対して、癒しと書き換えを行いました。

以下、Yさんの感想です。
セッ ションで、エコー(イメージの中で、トラウマになった出来事を体験している自分自身)が抱えるつらい思いを聞くとき、「あぁ、そうだった」と、とても心に 響いて涙が出ました。エコーのつらさは、私の中で解決されないままずっと在ったことを実感しました。満たされるためにどうしたいのかをエコーに聞き実行す ると、私も同時に満たされて、またうれしくて涙が出ました。

 セッション後は、体が軽くなって楽になります。少しずつですが確実に自分の過去と向き合い、受け入れることができるようになると思います。
エコーと向き合うには、適切な誘導が必要で、私は今、信頼できるセラピストさんの手を借りています。これからもマトリックス・インプリンティングを続けていきたいです。

セラピスト情報

氏名:三田 純
※現在、マトリックス・リインプリンティング・ジャパンには登録しておりません