Rさんは子供の頃から、ちゃんとしなければならない、がんばらなければならないと思ってしまう、
いつも~しなければならない方を選んでしまうとのことでした。
お母さんからも遊び心がない、子供らしくないと言われてきました。

このがんばらなければいけない、ちゃんとしなければいけないという思いにある感情を感じてもらうと
3才の時のお父さんのお葬式の記憶がでてきました。

3才のRちゃんは何が起こったかわからず、泣くこともできず、
いつもと違う雰囲気でたくさんの人が泣いていて怖がっていました。

Rちゃんにタッピングして感情が治まったら、次のシーンではお父さんの上司が幼いRちゃんに
「お父さんの分もがんばらないといけない」と言いました。

知らないおじさんに言われて怖がっているRちゃんにタッピングし、
また次のシーンへと続いていきました。
映画のように長いシーンを少しづつタッピングし辿っていきました。

ポジティブな場面を刷り込むシーンでは、黒いイメージから白いイメージに。。

Rちゃんはお父さんの一番近くに居ていっぱい泣きました。
お母さんやお姉ちゃんにも抱きしめてもらいました。
お父さんが微笑んでRちゃんに「がんばらなくていいからね、元気で楽しく生きてくれたらそれでいいからね」と
メッセージをくれました。

セッション後Rさんは、お父さんがあんなに若く亡くなったから、
私がお父さんの分までがんばらなきゃいけないと憎んでいるところもあったけれど
そんなことなかったんだと、長年の重荷から解放されてすっきりされていました。
その後お会いした時に、今までは部屋もきれいにして何をするにもきちんとしなきゃと思っていたけど、
部屋が少し散らかっていてもまっいいやと思えるようになったと教えてくださいました。

Rさんのご感想です~

私が大切な人を失くしたのは3歳の時でした。
片親のまま育ってきましたが、とても幸運なことに今までそれで嫌な思いはほとんどしませんでした。
それでも、漠然とある喪失感…。それは、見て見ぬふりをしながらも影のように私の傍らにいつもありました。
疑問も感じるし不快だし、何より嫌だったのが「なぜそう感じるか(思うか)わからない」という感覚でした。
心のバランスが崩れてくると潜在意識の中から結局その古い古い原点にかえってしまって、急に気分がガクッと落ち込んだまま帰ってこられないことがたくさんありました。現在起こっている悲しいことも、なぜか何の関係もない古い記憶に立ち返ってしまうのです。
唐突に無遠慮に、気持ちをひっかきまわされることもありました。その度に苦しみました。

長年、どんなに大切に扱われても卑屈さが抜けない人間でした。優しくされることが怖い、自分に価値がない。
その感覚は自分自身でどうこうしようにもお手上げ状態のものでした。

もともとセラピーやカウンセリング、心理の本など読んだことはありましたが、深くは知らずに扇谷さんのセラピーを受けてみました。
自分の内面という名の海に潜っているような気分になりました。そして、浮かんできたものがとても膨大でびっくりしました。
小さな自分、泣いている自分、弱い自分…。忘れているはずの、覚えていないはずの、でもちゃんと残っていた自分自身の感覚に久しぶりに再会した感じでした。
あんなに、触れたくない、開けたくない、見たくないものの先が、思ったより暖かく優しいものに変わるなんて驚きました。
その際には感情がドバっとあふれるような思いでしたが、時間がたっていくにつれて少しずつ感覚が馴染んでいきました。
私の場合、様々な「色」で場面を記憶していたようで、それを思い出すととても腑に落ちるような感覚でした。
いまでは、その過去の感情に向き合うことがとても怖かったのだろうな、という理解をしています。

小さいころと違って段々と、蓋をしたり隠したりすることが増えました。それでも行き場を求めて、私に気づいてもらおうと思っていた小さな私がいました。
再会してやっと抱きとめてあげられた感じがします。

どうもありがとうございました。

セラピスト情報

氏名:扇谷美和子
※現在、マトリックス・リインプリンティング・ジャパンには登録しておりません